この疑問に回答します。
メールを送信する際に、迷惑メール防止の設定を組み込まないと相手に届く前に振るい落されます。しっかりと迷惑メール防止対策を実施する必要があります。
色々な技術があるので全部設定したら良いのはわかりますが面倒臭い。最低限の設定で済ませたいかたに実験結果をまとめます。
迷惑メール判定はどうなる?
独自ドメインを利用しても、メールサーバーを自社で運用するのは少数派だと思います。現在はGoogle社のGmail(G Suite)か Microsoft社のExchange Online(Microsift365 旧名称はOffice365)を利用しているのが大半だと思います。
Yahoo!メールとiCloudメールも利用者が多いので、この4つでどうなるか試してみたいと思います。
ちゃんと不正中継されていない設定になっていることが大前提です。
迷惑メール送信の前提条件は
メール送信する場合は、メールリレーサーバーのグローバルIPに対してDNS設定が必須条件です。DNS設定がされていないと、メール転送を拒否されます。迷惑メールより前に門前払いされますので、忘れずに設定をしましょう。
- 正引き Aレコード
- 逆引き PTRレコード
メール送信はメーラー(Outlook、Thunderbirdなど)を使わずに、TELNETコマンドから送信します。
迷惑メールのフィルターは本文内容もチェックします。本文が不自然だと迷惑メールと判断されます。
送信コマンド
telnet localhost 25 mail from:hogehoge@mydomain.com rcpt to:hogehoge@mydomain.com data from:hogehoge@mydomain.com to:hogehoge@mydomain.com subject:test test . quit
ドメイン名は環境に合わせて変更してください。
迷惑メール設定が何も無い場合
想像通りの結果です。
サービス名 | 送信結果 | コメント |
---|---|---|
Gmail | 〇 | 影響なし |
Exchange | △ | 転送されたが、迷惑メールに振り分け |
Yahoo! | △ | 転送されたが、迷惑メールに振り分け |
iCloud | △ | 転送されたが、迷惑メールに振り分け |
SPFが設定されている場合
少し以外な結果です。迷惑メールの対策が行われていても、迷惑メールと判断されました。
サービス名 | 送信結果 | コメント |
---|---|---|
Gmail | 〇 | 影響なし |
Exchange | 〇 | 影響なし |
Yahoo! | △ | 転送されたが、迷惑メールに振り分け |
iCloud | △ | 転送されたが、迷惑メールに振り分け |
再調査
Yahoo!とiCloudを再度調査したところ、件名と本文が「test」で不自然と判断されていたようです。自然文に変更すると、迷惑メールと判断されずに受信されました。
DKIMが設定されている場合
少し以外な結果です。迷惑メールの対策が行われていても、迷惑メールと判断されました。
サービス名 | 送信結果 | コメント |
---|---|---|
Gmail | 〇 | 影響なし |
Exchange | 〇 | 影響なし |
Yahoo! | 〇 | 影響なし |
iCloud | △ | 転送されたが、迷惑メールに振り分け |
再調査
iCloudを再度調査したところ、件名と本文が「test」で不自然と判断されていたようです。自然文に変更すると、迷惑メールと判断されずに受信されました。
SPF+DKIMが設定されている場合
少し以外な結果です。迷惑メールの対策が行われていても、迷惑メールと判断されました。
サービス名 | 送信結果 | コメント |
---|---|---|
Gmail | 〇 | 影響なし |
Exchange | 〇 | 影響なし |
Yahoo! | 〇 | 影響なし |
iCloud | △ | 転送されたが、迷惑メールに振り分け |
再調査
iCloudを再度調査したところ、件名と本文が「test」で不自然と判断されていたようです。自然文に変更すると、迷惑メールと判断されずに受信されました。
まとめ
4つのメールサービスを比較したところ一番厳しくチェックしているのはiCloudだと判明しました。iCloudはDNS設定の正引き(Aレコード)、逆引き(PTRレコード)が設定されていないと転送を拒否します。
Yahoo!の挙動からSPF,DKIMを比較すると、DKIMを優先するようです。
迷惑メール設定を行っていても、件名と本文が不自然だと迷惑メールと判断されることが判りました。件名と本文が自然であれば正しくメールが届くことも確認しました。
さらに調査したところ、迷惑メール設定(SPF,DKIM)が未設定でも、件名と本文が自然であれば正しくメールが届くことを確認しました。
迷惑メールの判断は迷惑メール設定(SPF,DKIM)だけでなく、件名や本文など全体を見て総合的に判断しているようです。つまり、
迷惑メール設定を行っても、必ず相手に届くとは限らない。
迷惑メール設定を実施していないと迷惑メールに判断される可能性が高いです。SPF,DKIMのどちらでも構わないので設定することを推奨します。
以上、「【実証実験】試して解った。迷惑メール判定 SPF と DKIM どちらが大切か!」という記事でした。