私の家族に小学生の男の子がいます。文部科学省が推し進めているGIGAスクール構想にともない、小学校で利用する子ども専用のタブレット(iPad)を持っています。また、息子はポケモンが大好きなのでポケモンGO用のスマホも渡しています。
その結果、どこの家庭でも問題になっているように Youtube ばっかり見ています。
全てを制限すると子どもの興味や成長の芽を摘むことになるので、ある程度は許容して必要なところだけに制限を行いたいです。
- スマホ利用時間を制限したい
- アプリをインストールや課金させたくない
- ブラウザで制限をしたい
- 性的表現や暴力的表現などをフィルタリング
子どもにスマホやタブレットを渡すときは、さまざまな危険を回避する対策が必要になります。システムエンジニアである父親が見つけた最適な方法を解説します。
子どもに必要なセキュリティ対策
子どもへのセキュリティ対策の必要性
こども家庭庁が、子ども達のインターネット利用状況について詳細なレポートを公開しています。
調査では、小学生(10歳以上)でもインターネットの利用は 98% を超えており、利用端末のスマホが約75%を占めています。
知識や経験が未熟な子どもが自由にインターネットを利用していると、有害なサイトの閲覧、ネット依存症など、悪影響を及ぼす可能性があります。
子どもは小学生だから、まだ大丈夫!と考えていると、保護者が知らないうちにトラブルに巻き込まれ、既に深刻な状態になっていた。ということも考えられます。
子どもの成長はあっという間です。小学生だから大丈夫という考えを止めて、ペアレンタルコントロールの導入を考えてください。
ペアレンタルコントロールとは?
ペアレンタルコントロールとは、子どもが使える時間、見られるサイトを制御し、安全にインターネットを利用するための機能です。
NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどはフィルタリングサービスを提供していますが、ざんねんな感じです。キャリア提供のフィルタリングサービスは利用価値が低くいため、ここでは解説を省きます。
ペアレンタルコントロールに必要な3つの機能
ペアレンタルコントロールは、保護者が子どものスマホ利用を管理・制限するための機能です。
利用時間の制限
スマホのペアレンタルコントロールにおける「利用時間の制限」は以下の理由から必要とされます。
- 健康的なライフスタイルの維持
- 学業への影響の最小化
- デジタル依存の予防
長時間のスマホ利用は、睡眠障害や肥満などの健康問題を引き起こす危険性があると指摘されています。利用時間の制限を設けることで、子どもの健康的なライフスタイルを維持する必要があります。
スマホの過度な使用は、学業のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があり、利用時間の制限を設けることで、学業への影響を最小限に抑えることができます。
また、利用時間を制限しないと、デジタル依存のリスクを高める可能性があります。利用時間の制限を設けることで、このリスクを軽減することができます。
以上のように、ペアレンタルコントロールによる各種制限は、子供の健康と学業の成功を確保し、デジタル環境での適切な行動を促すために重要です。
ペアレンタルコントロールは保護者のデバイスからリモートで管理し、子どものデジタル環境を健全に保つことができます。Appleの「スクリーンタイム」やGoogleの「ファミリーリンク」など、各OSやアプリに標準機能が備わっています。
保護者はこれらのツールを使用して、子どものデジタル機器の利用を適切に監督し、安全な利用を促進することができます。
アプリのダウンロード・課金の制限
スマホのペアレンタルコントロールは、子どもがデジタルデバイスを安全に使用できるようにするための重要なツールです。特に、アプリのダウンロードと課金に対する制限はとても重要であり、つぎの理由から必要とされます。
- 意図しない課金の防止
- 不適切なコンテンツへのアクセス制限
- 使用時間の管理
子どもは、アプリ内の課金が実際のお金と結びついていることを理解していない場合があります。これにより、保護者の知らないところで有料のアプリや音楽、アプリ内課金などを無制限に購入してしまう可能性があるので「意図しない課金の防止」が必要です。
コンテンツの内容・性質により、子どもに適さないアプリが存在します。ダウンロード制限を設けることで、これらのアプリへのアクセスを防ぐことができます。
利用時間を管理するにはダウンロード制限を設けることで、子どもが新しいアプリをダウンロードして遊ぶ時間を制限し、利用時間を適切に管理することが可能になります。
URLフィルタリング
スマホのペアレンタルコントロールで、URLフィルタリングは子どものデジタルデバイスを安全に使用できるようにするための最重要なツールです。URLフィルタリングは次の理由から必要とされます。
- 有害な情報からの保護
- 情報の質の維持
- 誤った課金の防止
URLフィルタリングは、子どもが有害なウェブサイトにアクセスするのを防ぐことができます。
さらに「検索フィルター」を有効にすることで、アダルトやオカルト、犯罪などにつながるキーワードを入力しても、検索結果に有害なサイトが表示されなく、子どもが目にする機会を防磁することができます。
ペアレンタルコントロールの実情
ペアレンタルコントロールの限界
保護者が子どものデバイス利用を管理・制限するためにペアレンタルコントロールは重要なツールです。しかし、いくつかの限界も存在します。
- 機能制限は完璧ではない。子どもは新たな方法で制限を回避する
- 不適切なコンテンツを判別することは難しい
- 1箇所の設定で全てを完結できない
- 検索フィルター、広告ブロックは難しい
ペアレンタルコントロールは一部の問題を解決できますが、全てを解決でき無いことを保護者は理解する必要があります。
複数によるマルチ制御の必要性
ペレンタルコントロールは1箇所で完結は出来ません。OSができる制限と、アプリができる制限は全く違う技術を利用して制御することになります。
Appleの「スクリーンタイム」やGoogleの「ファミリーリンク」など、各OSやアプリの標準機能だけではコントロールできる内容が少なくなってしまいます。
OSができる制御
OSができる制御は次のような制限が代表的なものになります。
- 利用時間の制限
- アプリのダウンロード制限
- コンテンツ購入、課金の制限
- 標準付属アプリの制限
OSに組み込まれた機能になり、Appleの「スクリーンタイム」やGoogleの「ファミリーリンク」などが該当します。
親子が利用するアカウントを紐づけ保護者のデバイスからリモートで子どものデバイスを管理することができます。子どもが勝手に設定変更が出来ない仕組みになっています。
アプリができる制限
アプリができる制限は、OSができる制御に比べると機能が見劣りします。アプリの設定は、制限したい端末のアプリ内で設定する場合やログインすることで設定を反映させることになります。つまり、子どもが自由に設定変更できてしまいます。
Googleが提供しているアプリであれば、親子のアカウントを紐づけができるので制限できるものがありますが、ログインしなくても利用できるアプリだと制限を行うこと全く出来ません。
その最たる例は「ブラウジング」です。
ブラウジングは、一番利用する機能であるにもかかわらず、OSでも、アプリでも制御することができません。子どもは自由に検索キーワードを入力、検索結果を見ることが出来てしまいます。
iPhoneやiPadなどAppleデバイスに付属される標準アプリのSafariであれば、検索フィルターを制御することができます。しかし、Chromeなど別ブラウザを利用して検索をした場合は検索フィルターを有効にすることができません。
Chromeアプリにログインすれば検索フィルターを制御することができます。しかし、ログインしなければ検索フィルターを有効にすることができません。
検索結果を制御する検索フィルターは、検索結果を制御する必要があり高度な制御が必要になります。OS標準の機能だけで制御することはできません。つまり、ブラウジング制御は専用アプリが必要になることを意味しています。
ペアレンタルコントロールの設定手順
デバイスが Apple端末(iPhone,iPad)の場合
Apple ID を作成
Apple製品でペアレンタルコントロールを利用するには「ファミリー共有」を利用します。管理者(保護者)はファミリー共有グループ内に子ども用にペアレンタルコントロールを設定し、子どもによるAppleデバイスの使用状況を管理できます。
詳細の設定手順は公式サイトから確認してください。ファミリー共有内に子ども用アカウントを追加するだけです。特に難しいことはありません。
ファミリー共有内に子ども用アカウントを追加することで、保護者アカウントと紐づけが完了します。
Google アカウントを作成
子どもが利用する端末がApple製品であっても、Google の各種サービス(検索、Chrome、Gmail など)を利用することになりますので、Google アカウントを作成し設定を行う必要があります。
詳細はAndroid端末の項目を確認してください。
ただし、Google の各種サービスにログインしないと制御することはできません。
Apple製品(iPhone,iPad)スクリーンタイム
ペアレンタルコントロールは、スクリーンタイムの「コンテンツとプライバシーの制限」を利用します。子どものデバイスで特定アプリや機能を使えないようにしたり、使用制限を設けたりすることができます。
また、iPhone、iPad、iPod touch で、不適切な表現を用いたコンテンツ、購入やダウンロード、プライバシーに関する設定を制限できます。
詳細の設定手順は公式サイトから確認してください。
- 「設定」を開いて「スクリーンタイム」をタップ
- ファミリー項目に表示される子どものアカウントをタップ
ファミリー項目に表示される子どものアカウントをタップすることで「スクリーンタイム」で制御できる項目をすべて設定することができます。
デバイスが Android端末(Android OS)の場合
Google アカウントを作成
Google製品でペアレンタルコントロールを利用するには「ファミリー リンク」を利用します。
子ども用の Google アカウントで Google の各種サービス(検索、Chrome、Gmail など)にアクセスでき、ペアレンタルコントロールを設定して、子どもの使用状況を管理できます。
子ども用のGoogle アカウントの作成には約 15 分かかります。
詳細の設定手順は公式サイトから確認してください。ファミリーリンク内に子ども用アカウントを追加するだけです。特に難しいことはありません。
ファミリーリンク内に子ども用アカウントを追加することで、保護者アカウントと紐づけが完了します。
Android製品 ファミリーリンク
Google製品でペアレンタルコントロールを利用するには「ファミリー リンク」を利用します。ただし、Google の各種サービスにログインしないと制御することはできません。
- ファミリー リンク アプリ を開くか、g.co/YourFamily にアクセス
- 子どものアカウントを選択
Google ファミリー リンク
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デバイスが Windows端末(Windows 11)の場合
Windows OSでペアレンタルコントロールを利用するには「Family Safety (ファミリー セーフティ)」を利用します。
詳細の設定手順は公式サイトから確認してください。特に難しいことはありません。
専用アプリによる高度な制御
検索フィルター(セーフサーチ)を制御する
利用するデバイスがApple端末(iPhone,iPad)、Android端末に関係なく、Google の各種サービスにログインしていない状態で「検索」を行った場合はペアレンタルコントロールを制御することはできません。
標準のペアレンタルコントロールで制御できない箇所には専用アプリを利用して対策を行う必要があります。
人気のあるサイトやサービスをブロックする
人気のあるサイトやサービスは魅力的です。子どもは夢中になり、のめり込んでしまいます。全てをブロックしてしまうより、一定の条件で利用許可を与えて健全な利用方法促進させる必要があります。
Web・アプリなどのサービス提供の方法による制限を受けずに制御出来る必要があり、管理画面から簡単にON/OFFボタンを変更できる機能が必要になります。
結論:AdGuardアプリを導入する
各デバイスが無料で利用できる標準ペアレンタルコントロールは優秀です。Appleの「スクリーンタイム」、Googleの「ファミリー リンク」、マイクロソフトの「ファミリー セーフティ」を利用すれば大部分をコントロールすることが可能です。
標準機能でできない制御を専用アプリが補ってあげれば満足できるペアレンタルコントロールができあがります。
私が試行錯誤して最終的に行き着いたのが「AdGuard」アプリを導入することです。
AdGuardは、広告ブロックのアプリでありプライバシー保護やアプリ管理をサポートするのでペアレンタルコントロールを目的にすると相性が非常によいアプリとなります。
AdGuardを利用すると、様々なウェブサイトに表示される広告をブロックするので、目的以上のメリットを享受することができます。
まとめ
こども家庭庁がの調査では、小学生(10歳以上)でもインターネットの利用は 98% を超えており、利用端末のスマホが約75%を占めています。
スマホ利用を禁止するのではなく、適切に利用することを考えましょう。そのため、子どもにスマホやタブレットを渡すときは、さまざまな危険を回避するためのペアレンタルコントロール対策が必要になります。
標準のペアレンタルコントロールはカバーできない部分があるので専用アプリを利用して不足部分を補う必要があります。
システムエンジニアである私が、試行錯誤を繰り返してたどり着いた結果は「AdGuard」を導入することです。
同じ悩みを抱えている保護者の方は参考にしてください。
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